| 突然の電話 | 
        
          | 最近は、電話勧誘の他に、SNS、婚活サイト、出会い系で知り合った相手から勧誘を受ける事例が増えています。 | 
        
          | 突然、知らない女性から電話があった。 | 
        
          | 初めは雑談をしていたが、雑談が続くうちに、 
 「アクセサリーの仕事をしているので、商品を見て、意見を聞かせて欲しい。」
 
 「自分がどんな仕事をしているか知ってもらいたいし、デザインには自分も関わっているので、どんなブランドなのか知ってほしい。」
 
 「それに、一度会ってみたいしね。別に買わなくても大丈夫だから、出てこれない?」
 
 「マーケティングの意味でも、意見を聞かせて欲しいし、アンケートに答えて欲しい。今後のデザインに活かすためにも、ジュエリーやネックレスの現物を見ながら、意見を聞かせて欲しい。」
 
 などと誘われ、電話のやり取りは数時間にも及んだ。
 
 自分としても、若い女性から誘われて悪い気はしなかったので、一度会って話をすることにした。
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          | 待ち合わせの駅で待っていると、 | 
        
          | 待ち合わせ場所にスーツを着た男性が現れた。 
 「担当の女の子は、今日は用事があって来れなくなった。」
 
 「私が代わりに説明するので、どこか近くのファミレスに行こう。」
 
 「彼女も君に会いたがっていたが、どうしても外せない仕事が入ったので、残念そうにしていたよ。君に謝って欲しいと頼まれた。」
 
 などと言いながら、近くのファミレスに案内された。
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          | ファミレスに入り、席に着くと、男性から、「説明には少し時間がかかると思うけど、話しを最後まで聞いて欲しい。」と約束をさせられた。 | 
        
          | 男性は鞄から30点ほど商品サンプルを取り出し、並べ始めた。 
 「これらの中でどれが一番好きか。買うとしたらどれがいいか。」と聞いてきたので、質問に従ってひとつを選んだところ、
 
 「この指輪はホワイトゴールドで、希少価値のある貴金属で・・」と、商品について詳しい説明を始めた。
 
 しばらくすると、「この商品は通常は100万円ほどで販売している」などと、値段の説明が始まった。
 
 ただの説明だと思い、なんとなく聞いていたが、男性は、「それで、君は月々いくらぐらいなら払えるか。」と聞いてきた。
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          | 急に勧誘が始まったため、驚いて断ろうとした。 | 
        
          | 「今日は商品を見て意見を聞かせて欲しい、という約束で来ている。」 「買うつもりはないし、そんなに高額な品物を買うお金は持っていない。」
 と言うと
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          | 男性の態度が急に変わった | 
        
          | 「買う気があるから会ってくれたんでしょ」 「外商販売なんだから。」
 「外商を呼びつけて、説明を聞いて商品を選んだんだから、買わないと駄目」
 「契約しないのなら、なぜこんなところまで呼び出した?」
 「冷やかしか?それとも女の子目当てか?」
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          | 「ここまで、時間と費用をかけて来ている」 「大阪から、わざわざ説明をする為だけに来たんじゃないよ」
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          | 「ここで契約しなかったら、お前の行為は営業妨害だよ。レストランに入って品物を注文せんかったら営業妨害になるやろ。それと同じ」 | 
        
          | 「営業妨害する人は、お客じゃあなくなるので、その場合は別の話をさせてもらう。うちは交渉させて頂くかたちになっている。交渉を止めることはできない」 | 
        
          | それでも、断ると、 | 
        
          | 「月々払える値段を考えて買えばいい。月にいくら位なら払えるのか」 「上司と値段を交渉してみる。OKが取れたら契約ね。」
 といいだした。
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          | 男性が携帯電話で上司と連絡を取りはじめた。しばらくすると、「上司から、特別に50万円でいいという許可が出た」「よかったな。これで契約できるな。」と言われてしまった。 | 
        
          | これでますます断ることができなくなり、結局、怖くなり契約してしまった。 | 
        
          | クレジット申込書を書かされる際、収入がないとクレジットが通らないので、バイト先を勤務先として書くように指示された。 | 
        
          | さらに、「今回の契約は家族に言わない方が良い。」「家族に迷惑をかけたり、心配をかけたくないよな。」と口止めもされてしまった。 | 
        
          | 家族に心配をかけないよう、商品の配達場所も、自宅ではなく、郵便局留めとするよう指示された。 | 
        
          | クーリングオフについての説明は、 「これどういうのか知ってるよね。でも契約するんだから、そんなことしないよね。」と念を押され、「第三者が介入するか、現金で一括払いになるか、裁判になるかもね。」とも言われた。
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          | 契約を終えてレストランを出たのは、深夜1時過ぎだった。 
 「営業妨害する人はどうなっても知らんよ。俺は危ない関係の人間も知っているから。」と男性から言われたことがどうにも気になって、恐くてクーリングオフできなかった。
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