【デート商法 1回目の契約】 |
ある日、突然、男性から電話があり、
「会社のPR活動で、2、3質問に答えて欲しい。」と言われた。 |
これに答えると、
「若い人に当たったのは初めてなので嬉しい。君と話していると癒される。」と言われ、それ以来、毎日、電話・メールがあり、急速に仲良くなっていった。 |
そんな中、「君の誕生日(20歳)に偶然、アクセサリーのイベントをやることになったから。見るだけでいいから見に来て欲しい。」と誘われた。 |
会いに出向いたところ、 |
担当者と待ち合わせ、そのまま喫茶店に入り、雑談をしていたが、担当者は、別に聞いてもいないのに自分の身の上話を初めた。 |
さらに、「自分のことをこれだけ話したのは○○が初めてだ。」「会社の人に、最近明るくなったと言われたのも、○○のおかげかなあ。」等と、自分が担当者にとって特別の存在であるかのような話をされた。 |
その後、喫茶店を出て、人も疎らな展示会場に連れて行かれた。 |
「これが本物のダイヤだから。一回付けてみる?」などと言いながら、担当者は、そのネックレスを自分に付けると、鏡を持ってきた。 |
「めちゃ似合ってる。めちゃかわいい。」
「20歳は大人の第一歩だから、一番大切な時期。」「身に付けるアクセサリーも、やっぱりいいものになってくる。」
「これからのことを考えると、一つは持っておく必要がある。」「持ってて損をすることは無い。絶対自分のプラスになる。」 |
と言われた。
話しの流れから、なんとなく相槌をうつと、まだ購入するとも言っていないにも関わらず、「必要と思うなら決まりだ。」と言いだして、契約書を持ってきた。 |
「ダイヤなんて早いし、お金もない。」「ダイヤってこんなに高いの?」と断ろうとしたところ、 |
「持つのに早いとか遅いとかはないし。」「これからどんどん綺麗になって、大人の女性になっていくんだから、絶対に必要になってくるって。」 |
「総額で考えるから高いと思うだけ。月々これだけなら全然余裕。」 |
「実際は○百万するダイヤだけど、ウチは仲買を通さないから、これだけ安くできる。普通のデパートとかなら、この倍くらいする。」 |
「でも、これから5年間も払っていかないと思うと、気が遠くなる。」と断ろうとしたものの、 |
「ダイヤは価値が下がらない。それに、ダイヤは年々採れなくなってきているから希少価値がある。今まで値上がりしてきているから、今後も上がる。」 |
「今、○○万円で買っておけば、5年後10年後はもっと値上がりしている。今ダイヤを買っておけば後で楽になる。今のうちに買っておかないと損をする」 |
「ダイヤなんていつでも買うもんじゃないし、だったら若いうちに買っといて苦労したほうが良くない?もう20歳だから大人でしょ?」 |
「俺も買ったんで大丈夫。頑張っていこ。 俺も○○を信じるから、○○も俺を信じろ。月々支払えるように、僕も協力するから。」と手を差し伸べられた。 |
それでも契約を拒んでいると、 |
「俺の事を信じて、困った事があったらいつでも相談に乗るから。」
「絶対後悔させないし、買って良かったと思わせる自信あるよ。」
「一緒に頑張っていこ。」
と再び手を差し伸べられ、つい契約をしてしまった。 |
その際、展示会についての質問用紙、「強引な勧誘や無理に契約させるような事は無かったか?」などの項目への、記入を求められ、拇印を押させられた。 |
また、「ダイヤを買ったことは、親や友人に言うことじゃないから。」と口止めをされ、しかも、担当者の上司から、「クーリングオフしたらあの子、そうとう悲しんでショックを受けると思うよ。」と、クーリンオフをしないように言われた。 |
その夜、担当者から「ほんとに俺の事信じてくれてありがとう。」「俺は絶対に裏切らないから、○○も裏切らないでね。」とのメールがあった。 |
その数日後、担当者にクーリングオフしたいと言ったところ、 |
「俺を信用してないの?」「もっと俺を信用して欲しいな」 |
「一生のうちで一回しか使えない、特別な社員割引を、○○のために全部使ったんだ。」「二人で一緒にジュエリーを揃えたかったから、上司に無理を言って特別割り引きを許可してもらったんだよ。」 |
「それに、特注品で、発注済みだからキャンセルできないよ。」と言われた。 |
その後、 |
クーリングオフ期間が過ぎる日まで、担当者から毎日電話があり、「○○と出会ったのは運命。そっちが裏切ったら俺、絶対に生きて行けない。」と繰り返し言われ、クーリングオフをすることができなくなってしまった。 |
【デート商法 二次被害】 |
最初の契約から一月後、再度、担当者から電話があった。 |
「俺のデザインしたアクセサリーが賞をとった。」 |
「いろんな人から高く評価され、商品化しろと言われているけど、○○のためにデザインしたものだから、○○以外の誰にも付けて欲しくない。」 |
「この賞を取れたのは○○のおかげ。○○と出会えて、ほんとに良かった」「一度、○○にも見てほしい。」と、再び呼び出された。 |
会いにお店に出向いたところ、 |
担当者が指輪を取り出してきて、自分の指にはめた。 |
「すごい。ぴったりだな。すごく似合ってるよ。」
「これは○○のことを想ってデザインしたもの。」「俺が苦労してデザインしたダイヤを○○に持って欲しい。」 |
「他の誰にも売りたくない。どこの誰だかわからない人に付けられるのなんて嫌だ。これは絶対に○○に付けてもらいたいと思ったから、商品化の話を断ったんだ。」 |
「これを持っていて欲しい。〇〇を絶対に後悔させない。」「この指輪は、世界にたった一つだけのもの。世界にたった一つしかないダイヤを○○に持って欲しい。」と言い出し、再びジュエリーを買うように勧めてきた。 |
「金額も高いし、ローンはもう組みたくない。」と言って断ると、 |
「工場からの直仕入れだから、他から仕入れるよりめちゃ安い。」
「月々○万○千円ちょとだから大丈夫。」と言われた。 |
「この前購入したネックレスだけでも大変だから」と何度断っても |
「持ってて損をするようなことはない。」「この指輪を持ってることを絶対に後悔させない。」などと、長時間に渡り説得された。結局、早く帰りたい一心で、契約書にサインすることになった。 |